数年越しの北鎌尾根③
夜は思っていたとおり風ビュービュー!雨バチバチ!
富士山山頂の烈風よりはましかなーと思って、見ても風にあおられてテントがへしゃげ、始終体を叩くからなかなか寝ることが出来ない。
おまけに軽量化のため、シュラフもマットも持参せず、ダウンの上下を着てシュラフカバーのみで寝たから以外と地面からの冷気が応えた。せめて半身用マットでも持ってくれば良かったと想いながら下を見たら、テントの床とグランドシートの間に水がたまり、ウォーターベッドと化していた。
どおりで寒いわけだ。
翌日の朝食はドライカレー。しかし、水分が多すぎて大量に出来てしまった。
しかし、この後いつまとまった食べ物を口に出来るか分からないので、ありったけ押し込み完食。
食ったら即撤収。この瞬間が一番きつい。夏山の鉄則は衣類を2セット用意すること。
一つは行動中に着る汗まみれになっても良い衣類。
二つ目は絶対に濡らしてはいけない夜寝るときに着る乾いた衣類。
つまり、暖かくて快適な衣類から、昨日着ていたぐっしょり濡れた衣類に着替えるわけだ。
着替える瞬間は何とも言えないが、着替えてから少したつと慣れてくる。
テントを片付け、パッキングして、忘れ物がないか周囲を見回してから出発。
ふと振り返ってみた。
私が昨日どんな場所に幕営していたのか、はっきり見て取ることが出来た。
まるで木のてっぺんにある鳥の巣だった。
写真中央の岩山の上の平らな部分がそれ。
2日目はのっけから難コース。いきなり難しい下りが待ち受ける。歩いてきた岩場を振り返って見て、いったいどこをどのようにして歩いたのか思わず首をかしげた。
すると目の前が一瞬晴れた。そして一瞬とは言え青空も見えた。
ガスは強い西風にあおられ、ちぎれて飛んでいく。
ほんの一瞬目にする素敵な景色に心奪われた。
しかしまあ北鎌尾根は次から次に難コースを用意してくれる。
コースの全てが核心部分ではないかと思うほど。
今回持参したザックはホグロフスのランド30というバックカントリースキー用のザック。
コンパクトな中に選りすぐりの装備(今回は山の友であるお酒すら持ってこなかった。)
でチャレンジしたので、ザックが引っかかって危険な場面はなかった。
ここも今回一番難しかった部分。
良くもまあこんな場所を下りながらトラバースしてきたもんだ。
霧のおかげで絶壁具合が出ないが、中途半端にガスっているせいでよけいに迫力がある。
こんな場所では岩との対話が重要。
これから体重を預けようとする岩を掴んで軽く揺する。浮き石になっていないか確かめる。
一手ごとにそんな対話を繰り返すので、一向に前に進まないけど、落ちて死ぬよりはましだ。
思わず自分自身に語りかける。
「岩を抱いて死ぬのか、それとも?」
当然死者を悼むプレートはここにも。しかし、死んだ者が生き返ることはない。
嘆いても悲しんでも戻ることはない。
だからこそこういったプレートにはただ嘆くだけではなく、生に向かう強い意志とエネルギーが必要だ。
それでこそプレートの意味がある。そもそも挑戦することに興味をそそられたなら北鎌尾根から人が途絶えることもないし、どんな小さな事であれ、挑戦することを諦めたら死人も同然だ。
これもかなり有名なプレートのようだ。
槍の穂先の根本にあり、このすぐ上は穂先だ。
ここまでくると、だんだん感慨深くなってくる。槍の穂先に登るのが惜しい。
思いっきり見上げてみる。一見平坦に見えるけど、視覚的にはほぼ垂直な壁。
でも、ここまでくれば、チョロいものだ。気を抜かず、体のテンションを目一杯張りながら
攣っていく。
富士山山頂の烈風よりはましかなーと思って、見ても風にあおられてテントがへしゃげ、始終体を叩くからなかなか寝ることが出来ない。
おまけに軽量化のため、シュラフもマットも持参せず、ダウンの上下を着てシュラフカバーのみで寝たから以外と地面からの冷気が応えた。せめて半身用マットでも持ってくれば良かったと想いながら下を見たら、テントの床とグランドシートの間に水がたまり、ウォーターベッドと化していた。
どおりで寒いわけだ。
翌日の朝食はドライカレー。しかし、水分が多すぎて大量に出来てしまった。
しかし、この後いつまとまった食べ物を口に出来るか分からないので、ありったけ押し込み完食。
食ったら即撤収。この瞬間が一番きつい。夏山の鉄則は衣類を2セット用意すること。
一つは行動中に着る汗まみれになっても良い衣類。
二つ目は絶対に濡らしてはいけない夜寝るときに着る乾いた衣類。
つまり、暖かくて快適な衣類から、昨日着ていたぐっしょり濡れた衣類に着替えるわけだ。
着替える瞬間は何とも言えないが、着替えてから少したつと慣れてくる。
テントを片付け、パッキングして、忘れ物がないか周囲を見回してから出発。
ふと振り返ってみた。
私が昨日どんな場所に幕営していたのか、はっきり見て取ることが出来た。
まるで木のてっぺんにある鳥の巣だった。
写真中央の岩山の上の平らな部分がそれ。
2日目はのっけから難コース。いきなり難しい下りが待ち受ける。歩いてきた岩場を振り返って見て、いったいどこをどのようにして歩いたのか思わず首をかしげた。
すると目の前が一瞬晴れた。そして一瞬とは言え青空も見えた。
ガスは強い西風にあおられ、ちぎれて飛んでいく。
ほんの一瞬目にする素敵な景色に心奪われた。
しかしまあ北鎌尾根は次から次に難コースを用意してくれる。
コースの全てが核心部分ではないかと思うほど。
今回持参したザックはホグロフスのランド30というバックカントリースキー用のザック。
コンパクトな中に選りすぐりの装備(今回は山の友であるお酒すら持ってこなかった。)
でチャレンジしたので、ザックが引っかかって危険な場面はなかった。
ここも今回一番難しかった部分。
良くもまあこんな場所を下りながらトラバースしてきたもんだ。
霧のおかげで絶壁具合が出ないが、中途半端にガスっているせいでよけいに迫力がある。
こんな場所では岩との対話が重要。
これから体重を預けようとする岩を掴んで軽く揺する。浮き石になっていないか確かめる。
一手ごとにそんな対話を繰り返すので、一向に前に進まないけど、落ちて死ぬよりはましだ。
思わず自分自身に語りかける。
「岩を抱いて死ぬのか、それとも?」
当然死者を悼むプレートはここにも。しかし、死んだ者が生き返ることはない。
嘆いても悲しんでも戻ることはない。
だからこそこういったプレートにはただ嘆くだけではなく、生に向かう強い意志とエネルギーが必要だ。
それでこそプレートの意味がある。そもそも挑戦することに興味をそそられたなら北鎌尾根から人が途絶えることもないし、どんな小さな事であれ、挑戦することを諦めたら死人も同然だ。
これもかなり有名なプレートのようだ。
槍の穂先の根本にあり、このすぐ上は穂先だ。
ここまでくると、だんだん感慨深くなってくる。槍の穂先に登るのが惜しい。
思いっきり見上げてみる。一見平坦に見えるけど、視覚的にはほぼ垂直な壁。
でも、ここまでくれば、チョロいものだ。気を抜かず、体のテンションを目一杯張りながら
攣っていく。
by ygenki
| 2013-08-23 00:22
| 登山、アウトドア
自転車をこよなく愛する日記です。 日常の光景をストレートに書いています。
by 山田元気
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