烈風の八ヶ岳 硫黄岳~横岳~赤岳 縦走(2)
横岳近辺は決して難易度が高いものではなく、せいぜい三点支持で確実に進むだけで十分だったけど、相変わらずルートは時々見失い、そのたびに地図とコンパスを取り出しては、磁北線のずれの修正が酸欠の頭にこたえた。
一番迷ったのが、三叉峰から二十三夜峰の区間で、稜線を右に左に乗越す辺りで下り口がさっぱりという場所も多かった。しかし、このルートは全体的に、北から南に南下するルートが比較的容易で、ルート選択としては良かったと思う。
地蔵の頭を越え、赤岳展望荘にたどり着くが、やはりここも建物の陰は風よけにはならなかった。
目指す赤岳まではあとわずか。
ガイドブックでは、赤岳の頂上直下は厳しい雪壁とあったけど、たいしたものではなかった。
クラストしてはいたけど、滑っても滑落停止はさほど難しくはない斜面だし、ブラックアイスのたぐいはいっさいなく、ただ呼吸が苦しいだけだった。
赤岳の頂上は相変わらずの暴風雪。山頂は特にひどくて、身をかがめながら写真を写した。
アウターシェルの襟首の辺りはガチガチに凍り付き、口と鼻の部分に穴の空いたバラクラバと、曇りにくいゴーグルがあればどれだけ楽だろうと夢想しながら下山開始。
ちょっと下れば風も収まるだろうとたかをくくっていたら、文三郎尾根はやはり風の通り道で、樹林帯に入るまで稜線と大して変わらない風に叩かれ続けることとなったけど、ホワイトアウトが終わって、これから進んでいく道が見晴らせたのが大きな救いだった。樹林帯に入るとようやく風も収まり、雪も多くなってきたので、ピッケルからストックに持ち替える事にした。
交換しようと、ザックをおろしてびっくり。ストックにはすでにエビの尻尾ができていた。
そして、あっという間に行者小屋。
ここにきて緊張感もすぎ、ようやく笑顔になれる。
後は帰るだけ。
赤岳鉱泉のBのCに戻り、装備品を外していく。アイススクリューや、ルベルソキューブも凍り付いていた。
それだけ過酷な環境だったのだろう。
思いの外早くにおりてきてしまった。そして、翌日は叉天気が悪くなるらしい。そこで、今日中に家に帰ることにした。
疲れてフラフラだったので、ほんとに苦しい戦いはこれからだった。
ノロノロと撤収し、集中力の切れた状態でパッキングするものだから、余計に手間を増やしたりしながら、何とか片付け、下り出す。
疲労が激しくて、体が思うように熱を作ってくれない。
体温を上げようとして、運動強度を上げると、酸欠のためか激しい頭痛。
ノロノロと歩きながら、稜線で暴風にさらされていたときの方が余程楽だったと思いながら下っていくが、頭はすでに涸沢岳西尾根に向いていた。
八ヶ岳の硫黄岳から赤岳までの区間は厳冬期であったとしても、日帰りが可能なエリアだと言うことが判ったので、冬季登山の練習環境としては最適だ。何回か通い詰めれば、環境への適応も早い段階でできそうだ。
次のシーズンには厳冬期の3000メートルを落とせそうだ。
一番迷ったのが、三叉峰から二十三夜峰の区間で、稜線を右に左に乗越す辺りで下り口がさっぱりという場所も多かった。しかし、このルートは全体的に、北から南に南下するルートが比較的容易で、ルート選択としては良かったと思う。
地蔵の頭を越え、赤岳展望荘にたどり着くが、やはりここも建物の陰は風よけにはならなかった。
目指す赤岳まではあとわずか。
ガイドブックでは、赤岳の頂上直下は厳しい雪壁とあったけど、たいしたものではなかった。
クラストしてはいたけど、滑っても滑落停止はさほど難しくはない斜面だし、ブラックアイスのたぐいはいっさいなく、ただ呼吸が苦しいだけだった。
赤岳の頂上は相変わらずの暴風雪。山頂は特にひどくて、身をかがめながら写真を写した。
アウターシェルの襟首の辺りはガチガチに凍り付き、口と鼻の部分に穴の空いたバラクラバと、曇りにくいゴーグルがあればどれだけ楽だろうと夢想しながら下山開始。
ちょっと下れば風も収まるだろうとたかをくくっていたら、文三郎尾根はやはり風の通り道で、樹林帯に入るまで稜線と大して変わらない風に叩かれ続けることとなったけど、ホワイトアウトが終わって、これから進んでいく道が見晴らせたのが大きな救いだった。樹林帯に入るとようやく風も収まり、雪も多くなってきたので、ピッケルからストックに持ち替える事にした。
交換しようと、ザックをおろしてびっくり。ストックにはすでにエビの尻尾ができていた。
そして、あっという間に行者小屋。
ここにきて緊張感もすぎ、ようやく笑顔になれる。
後は帰るだけ。
赤岳鉱泉のBのCに戻り、装備品を外していく。アイススクリューや、ルベルソキューブも凍り付いていた。
それだけ過酷な環境だったのだろう。
思いの外早くにおりてきてしまった。そして、翌日は叉天気が悪くなるらしい。そこで、今日中に家に帰ることにした。
疲れてフラフラだったので、ほんとに苦しい戦いはこれからだった。
ノロノロと撤収し、集中力の切れた状態でパッキングするものだから、余計に手間を増やしたりしながら、何とか片付け、下り出す。
疲労が激しくて、体が思うように熱を作ってくれない。
体温を上げようとして、運動強度を上げると、酸欠のためか激しい頭痛。
ノロノロと歩きながら、稜線で暴風にさらされていたときの方が余程楽だったと思いながら下っていくが、頭はすでに涸沢岳西尾根に向いていた。
八ヶ岳の硫黄岳から赤岳までの区間は厳冬期であったとしても、日帰りが可能なエリアだと言うことが判ったので、冬季登山の練習環境としては最適だ。何回か通い詰めれば、環境への適応も早い段階でできそうだ。
次のシーズンには厳冬期の3000メートルを落とせそうだ。
by ygenki
| 2013-01-29 01:16
| 登山、アウトドア
自転車をこよなく愛する日記です。 日常の光景をストレートに書いています。
by 山田元気
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